ゴースト イン ザ シェル コピーはオリジナリティを持つのか

90日以上更新していなくてブログに広告が載せられてしまったのですが、その広告が電子煙草のやつでした。まぁこんなブログタイトルだったらそうですね、映画のことしか書いてないんだけど。

 

GWに攻殻機動隊の実写リメイク版のゴーストインザシェルを見に行ってきたんですが、字幕版でスカーレットヨハンソンの声をどれ初めて聞いてみるかと思っていたら、わが愛すべき地元では吹き替え版しかやっていませんでした、、、田舎ェ

ということで主演の少佐役にはハリウッドの誇るグラマー女優、スカーレットヨハンソン。この人あんまり見ていない人だと思っていたらロストイントランスレーションの人なんですね。あと、ホームアローン3と私がクマに切れた理由など。めっちゃ見てたじゃん!何が初めて声聞いてみようだよ!まぁホームアローン3は3回ぐらい見ましたけど全部吹き替えだったからしょうがないね、、、あの子役は元気にやってるんでしょうか。麻薬やめたのかな?

ああ、正式な役名は草薙素子じゃなくてミラキリア少佐です。ネタバレになるけども。

監督はルパートサンダース。スノーホワイトの人だとか。(見てない。)

他には荒巻部長役でビートたけしさんが出てます。後で書きますがかっこよかった👍

トグサ役には韓国人の俳優さんが使われていましたね。性格悪そうな演技が嫌いじゃない。あとマテバが実写で使われていてちょっと感動。

トーリーですが、ベースは完全に甲殻を下敷きにしていますが結構違うところが多々あります。義体は一般に浸透しているのですがどうも電脳化はあんまり広まっていないのかな?みんな耳のあたりにインターフェースみたいなのを埋め込んでいるみたいです。そして全身義体の実用化に成功したのは世界でも少佐だけとされています。電脳化は多分していないので生身の脳と機械の体ということですね。冒頭のシーンでアニメ劇場版でおなじみの義体が作られるシーンがCGで出てくるんですが、グロイグロイ。で、この世界初の全身義体化というのが今回の核になります。

ざっくりいっちゃうと義体化企業(名前忘れた)が肝いりで開発したミラ少佐は実験体というかもはや戦闘用の商品みたいな扱いを受けているわけで。しかも少佐は義体化前の記憶をほぼ完全になくしていて、義体化後一年を訳もわからず公安9課で働かされています。まさに9課に納入されている感じです。そんな少佐ですがその企業の研究員たちをつぎつぎ襲うハッカー(クゼ)を追ううちに正体不明の記憶の残滓ともいうべきバグに悩まされるようになり、クゼの目的を知った少佐は自分に隠された秘密と過去に気付いていくという感じです。

アニメ劇場版などではネットの複雑化によってゴーストを持ち始めたプログラムと人間の境目とは何かみたいなのを追い求めていたわけですが、実写版は営利をもとめ法を犯す悪徳企業の犠牲になった主人公みたいなのがテーマであり、どちらかというとイノセンスとか新劇場版に近い感がありますね。

作中に頻繁に登場する甲殻のモチーフも劇場第一作のもの以外にもイノセンスのものも頻繁に登場してきます。悪徳企業の社員で破壊された舞妓ロボットの調査をする女性研究員なんか、煙草と目の大胆な義体化などまんまイノセンスの警察の鑑識の人です。

そう、この実写版にはさまざまなパクリスペクトともいうべき甲殻のモチーフがたくさん出てくるわけですが、その量がすごいのです。よく言えばオリジナルに対してのリスペクトにあふれているわけですが、劇場第一作の水路に電脳汚染されたテロリストを追い詰めるシーンのコピーはけっこう無理やりでで、これ甲殻を知らない人がみてもわかるのかな。上に挙げた女性研究員も、イノセンスでは清潔な研究室で汚染ともいうぐらい大量の煙草を吸い、なぜか日本の警察のはずなのに白人、そしていきなりギミックを展開する目の義体パーツの暴力的な衝撃さは、伊藤計劃のいう「殻の中を暴く」というイノセンスのテーマを表現していたわけですが、今回は単にびっくりどっきり人間なだけです。

イノセンスというコンテキストから無理やりテキストだけコピーされた今回の女性研究員ですが、これが単なる劣化コピーなのか。それとも独創性を備えたコピーか。判断が難しいところです。一つの判断材料としてこの煙草もくもく研究員がウケてほかのSF映画にコピーされるようなり、これまでのアトムのお茶の水博士のような、博士と言ったら白髪の老人といったイメージのように我々に定着と再生産されるよになるか。つまりこのミームは生き残ることができるのか。個人的には興味深いところです。

この実写版に独創性が全くないわけじゃないです。面白かったのはアニメ劇場版では舞台背景が中華街ばかりで日本を感じさせる要素はあまりなかったわけですが、実写版では逆に街並みしかり道路標識しかり日本を端々に感じさせる要素があり、逆に甲殻機動隊日本版のような雰囲気を獲得していました。特にラストの墓地は面白いカットでした。撮影はエンドロール見る限り香港で行われたみたいですね。この逆転現象は確実にこの実写版のオリジナリティといえるのではないでしょうか。

しかしこの実写版、実はそんなことよりもとんでもないことを犯しているわけです。

荒巻部長役としてビートたけしさんがでているのは最初に書いた通りですが、監督のインタビューを見るとたけしさんの多忙なスケジュールにより出演シーンは二日で撮ったそうなのですが、マグナムをぶっ放して自ら戦うなど面白いアクションシーンが結構あります。(たけしさんが日本語で話しているのにそれ以外はみんな英語で普通に会話というのは結構他で触れられているので省きます。)そのアクションのラストのシーンにて悪徳企業の社長を自ら殺しちゃうんですが、これ仮にもハリウッドの映画でアジア人が白人を殺すって大丈夫だったんでしょうか?社長が撃たれ倒れていくスローのシーンで、私は驚きを通り越して恐怖すら感じました。今までだったら多分絶対あり得ないシーンの挿入。新時代の変化を感じさせられます。さらっとハリウッドでとんでもないことを成し遂げちゃったたけしさん、、、やっぱ世界のたけしですね。