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GW最終日。楽しみにしていたトムハンクス最新作の王様のためのホログラムを見てきました。え?公開日が違う?田舎なんだよ、、、
主演はみんな大好きトム・ハンクス。カーリー・ジェプソンのI Really Like YouのPVに出演してましたね。フォレストガンプ一期一会の時と比べてめっきり老けましたね。すっかり好々爺然してます。監督はトム・ティクバ。
ざっとストーリーを説明すると、トムハンクスはうだつの上がらないアメリカ人のセールスマン。娘の養育費のため家も車も売っぱらい、崖っぷち。若いころ、サウジアラビアの王子と一言しゃべったことがあるという理由で、サウジアラビアの王様にホログラムでまるでそこにいるかのように会話することができるという最新の会議システムを売りにサウジアラビアに行くことになります。慣れない異国の地で無事にトムは商談を成立できるのか?というかなんか体調悪そうだけど大丈夫?
さて、この映画の冒頭はいきなりトムハンクスがラップで歌いながら自分のグダグダな今の状況を説明しだすという斬新極まりない演出で始まります。いきなりの大音量のラップに劇場には何か自分は間違ってしまったのかという空気が漂います。いまいちついていて行けていない私と観客(おっさん3人)を華麗に置き去りにし、トムはジェットコースターに乗りながらラップを歌い続けます。「(自分は)いつもこうだった。いつもこうだった。いつもこうだった、、、」
大丈夫です。まだあきらめるような時間じゃありません。ここからしばらくは普通の映画です。しばらくは。
前述のとおりトムはサウジアラビアに行きます。飛行機を降りたらそこは砂漠とラクダと厳格なイスラムの王国、サウジアラビア。アメリカとは全く違う文化が広がっています。雇ったハイヤーは浮気相手の夫から爆殺されることを懸念しエンジンをかける前に執拗にボンネットを確かめたり。仕事のほうもうまくいきません。トムのチームに割り当てられたのは砂漠の中にたつテント。冷房が壊れたり、食べ物がなかったり、IT企業なのにWiFi環境がなかったり。プレゼン相手の国王もいつ来るのか誰も知りませんし、そもそもサウジ側の担当者にすら会えません。
仕事以外にもトムを悩ませるものが。背中に腫瘍のようなこぶができていてトムはガンじゃないかと不安で仕方がありません。
そんな中でも、冒頭に引き続き我々観客には試練が続きます。サウジ側の担当者の部下のデンマーク人のおばさんに呼び出されたディスコのシーンは、観客の耳を破壊しようと大音量の音楽が襲い、絶対やりすぎなフラッシュで我々の視界は奪われます。そしてそこからのおばさんとの濡れ場シーン。いきなり始まる四、五十近いおばさんとトムのムフフなシーンに戦慄を覚えさせられます。観客も(たぶんトムも)誰も得をしません。それ以外にもトムの嘔吐を文字通り顔面で受け止め、我々観客の心は開始40分ぐらいで既にグロッキーです。
安心してください。見どころはあります。背景を彩る豪華な現代イスラム建築たち。イスラム文化と建築大好きな自分としてはストーリーは置いといて幸せな時間でした。撮影はエンドクレジット的に多分オマーンですけど。
体もがたがただし、仕事も上手くいかないけど、すべては愛する娘のため。トムはやる気を出して、序盤のハイヤーの運転手と仲良くなったり、美人のサウジ人の女医さんに助けられたりして、なんやかんやあってトムは王様へのプレゼンを成功させます。元気も取り戻したトム、、、映画はこの中盤で最高潮の盛り上がりを見せます。
中盤?
はい。映画は続きます。
プレゼンは成功したけどぐずぐずサウジに残るトム。なにやらサウジ人の女医さん(50くらい)といい感じです。自宅に招待され、一緒に海で泳ぐことに。
そこで女医さん、なんと水着の上を着てきません。理由は男二人が泳いでるとご近所さんに思わせるため、、、
そうだよね~イスラム教のサウジで男女が海で一緒に泳いでるの見つかったらまずいもんね~^^
女医さんと一緒にサウジの海で素潜りを楽しみトム。
ここで映画は50くらいのサウジのおばさんのおっぱいが海でたわわに揺れ続けるシーンに入ります。
あまりにもどうどうと我々の前を漂うおっぱい、、、わたしはここでスペースバンパイア(要するにおっぱい映画)のあの名解説を思い出しました。
はい、みなさんこんばんは。今夜は怖くて眠れませんよ。
「スペース・バンパイア」。スペースバンパイアって何でしょう?
宇宙のバンパイア、宇宙の吸血鬼です。またいつもとおんなじような…
ところがちがうんですよ。今日の吸血鬼、ちょっとちがうんですよ。
あなたは旦那さんですか、奥さんですか、お嬢ちゃんですか、坊ちゃんですか?
この映画ご覧になったら、旦那さんは今夜眠れないかもしれませんよ。いろんな意味で。
(中略)
はい、ゆっくり怖がってくださいね。あとでまた会いましょうね。
1989年8月20日、日曜洋画劇場 淀川長治による冒頭解説より、一部抜粋。
(引用
スペースバンパイアとは (オッパイライフフォースとは) [単語記事] - ニコニコ大百科)
そうかー今日俺はおっぱいを見に来たんだったー。永遠に続くと思われた5分間。劇場にいたおっさんたちと私の心は一つでした、、、おっぱいおっぱい!
映画はその後、サウジに残り続けることを決めたトムや、色々なことがうまくいきはじめた他の登場人物たちを映し、ハッピーエンドで終わります。めでたしめでたし。
ちょっと待て
どうしておっぱいが入ってきちゃったの?中盤から後半にかけてのシーンって本当に必要?百歩譲って編集で順番入れ替えるとかできなかったの?あとなんでおばさんばっかなの?
まぁ多分監督は異文化との交流をテーマに書きたかったんでしょう。そこはある程度かけてます。ちゃんと面白い。そしてちょっとお色気シーンか何か入れたかったんでしょう。でもトムハンクス今年60歳だし、若い娘とはちょっとということでおばさんになったんでしょう。でも量も内容もどうしてこうなった。
いや、外国で主人公が活躍するものとしては十分及第点ですし。サウジという点も含めて背景はとてもきれいで文句ありません。ただ後半がだいぶおっp。
基本的にDVD買ってもいいやっていう、なんやかんや好きな映画の記事しか書いてないんですが、これは買うかなぁ?迷います。まぁイスラム文化が好きという人は楽しめるでしょう。何やらすごい映画でした、、、